1841年 ワシントンで誘拐され奴隷として売られた、自由黒人ソロモン・ソーサップの自伝が原作の真実の物語。
第86回アカデミー賞作品賞・助演女優賞・脚色賞受賞
キウェテル イジョフォー主演
ブラット・ピット製作
自由黒人で妻と2人の子供と白人と同等の生活を送っていたソロモンが、ある日突然誘拐され、約12年間も南部の綿花畑で奴隷として働かされた。
自由のない、意思を持つことさえも許されない、家畜の扱いを受ける黒人。
奴隷制度とはそういうものであった事実を映画化した作品。
『大統領の執事の涙』の約100年前のアメリカが舞台。
自由黒人であったソロモンは、教養もあり能力も高い。
しかし、それがゆえに命を落とす危機が何度もあった。
教養と素性を隠し、奴隷として生きた地獄のような日々。
南部の白人としては、奴隷の黒人は「家畜」と同じ。
奴隷市場で購入した自分の財産の一部だ。
思い通りに働かせ、統制するために、体罰を与え、殺すことも当然の権利だった。
南北戦争後の奴隷解放宣言によって、『奴隷』という表現はなくなり、黒人の環境は変化したけれど、差別は現在でも存在する。
人間の欲望がある限りなくならない。
欲望が生きる活力であるので、欲望をなくす道に進んではいけないと思う。
『所有欲』からの解放。
奴隷を所有し、南部で貴族のような生活を送っていた人々が幸せと言えるのだろうか。
『所有欲』に限界はない。
現在は奴隷制度はないけれど、
貧富の差が激しく、貧しい人は『奴隷』に近いのではないだろうか。
経済が人間を左右する現在の文明は、発展したけれど、課題も生んだ。
豊かな暮らしは経済の発展によってのみ得られるものではない。
しかし、経済発展なくして力を弱めれば『奴隷』の境遇になる。
まだまだ人類は発展途上だと感じる。
ただ、いつの時代も、心無い人が存在し、
心優しい人も存在する。
自由黒人は、心優しい人に能力を認められ与えられた自由の証明。
奴隷に自由を与える人も存在した。
事実だからこその人間模様が心に残るいい作品ですね。
ちょっと重いかもしれないけど、カップルで観てもいい〜と思いますよ。
ブラット・ピットの役だけ、本当なの?って思えるけど、
現実も捨てたものじゃないなって思わせます。
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